レトロニムの卵
レトロニムの卵 (aspiring retronym) とは, 既存の概念の名前に分かりきった説明を加えることで, 未だ発想されずにいる加えた説明の要素を持たない新たな概念の登場を示唆する表現, つまり, “まだレトロニムになっていない言葉” で, 端的には元の概念の別名のこと. 例えば, 座用椅子はレトロニムの卵である (座用ではない椅子は聞いたことがない).
次はレトロニムの卵に当てはまるか曖昧な例である.
- 反射鏡
- 反射しない鏡は聞いたことがないが, これは反射しない鏡の存在を想起させるために作られた表現ではない.
- 天然肉
- この表現は人工肉開発の黎明期にはレトロニムの卵であったが, 2020年代にそうではなくなった (レトロニムとなった).
関連する概念
舞台内のレトロニムとは, 舞台内では対立概念がすでに発想されているためレトロニムとなっているが, われわれの世界ではレトロニムの卵の状態にあるものを指す (したがって, 舞台内のレトロニムはレトロニムの卵に含まれる).
蒐集したレトロニムの卵
- 制動ブレーキ
- 母親生まれ
- 立体ビル
- 種無しハンバーグ
- 拡大顕微鏡
- 無活用トキポナ